ウイルスや細菌など外から入ってきた「敵」を免疫はどうやって感知している?
まず自然免疫の細胞が持つ受容体(代表:TLR)が、ウイルスや細菌に特有な成分を見分けます。
体内に侵入する病原体とまず戦うのが自然免疫の細胞です。このうち好中球は敵を食べますが、特に相手を見分けているわけではありません。しかしマクロファージと樹状細胞はただ食べるだけでなく細胞膜表面にある受容体で病原体の構成成分を知ることができます。受容体の代表がトル様受容体 (TLRs) でヒトでは10種類が知られています。TLRが感知する対象として、細菌・ウイルスのDNAやRNA、グラム陰性菌や陽性菌特有の成分、鞭毛細菌の成分などで、いずれも感染されたら手ごわい相手ばかりです。こうした感染の情報は他の免疫細胞に伝えられ、免疫システムは感染防御のため活性化します。TLRs の機能の多くを発見したのが審良静男博士です。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
イラスト:長門香織
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