マクロファージって何?

大型の免疫細胞で、アメーバのように動きながら病原体や死んだ細胞を食べることで体を守ります。

マクロは「大きい」 、ファージは「食べる」ことを意味するので「大食い細胞」という意味になります。マクロファージは、ほとんどすべての組織に存在し、また血液に乗って全身を循環し、病原体や死んだ細胞を食べて除去しています。一見単純なようですが、研究が進むに伴いその複雑さと重要性が再認識されています。

 
感染時のマクロファージは炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質を分泌し、他の免疫細胞を活性化して免疫反応を促進します。さらに細胞膜にあるToll様受容体 (TLR) などの認識受容体によって細菌やウイルスの構成要素を検出することができます。一方で感染時にあまり働かず、血液ではなく各臓器の近くでじっとしているマクロファージも知られてきました。これらは組織常在マクロファージと呼ばれており、各臓器(例えば肺)に特有の免疫疾患に深く関与していることが分かっています。マクロファージ研究は日夜進んでいます。

執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
イラスト:長門香織

感染症

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