好中球ってなに?
免疫細胞の中で最も数が多く、さまざまな病原体を食べて体を守ります。
好中球は、直径15マイクロメートル前後の免疫細胞です。例えば指先に切り傷を負って赤く腫れあがったときに、真っ先に患部に駆けつけて感染予防に備えるのが好中球です。好中球は病原体を食べることに特化した細胞で、食べ終わった後は破裂して自らも死にます。比較的早くから知られていた免疫細胞ですが、機能は食べるだけの単純な免疫細胞と思われていました。
2004年に好中球の新しい機能が発見されて多くの人が驚きました。Neutrophil Extracellular Traps (NETs) というもので、好中球が破裂した後にその DNAが網状に放出され病原体を絡めとるというものです。赤痢菌やHIV(ヒト免疫不全ウイルス)といった病原体が NETsの網にかかった様子が電子顕微鏡撮影されました。この現象が自己免疫疾患に及ぼす影響などが研究され続けています。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
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