移植で拒絶反応が起きるのはなぜ?
移植された臓器は本来の自分ではないため、臓器の細胞を敵のように認識して免疫細胞が攻撃するためです。
臓器移植は慢性的な臓器不全に対する最後の手段とされています。この場合、移植される側(レシピエント)の主要組織適合遺伝子複合体(MHC。ヒトの場合はHLA) や血液型をもとに適切に移植臓器は選ばれ、免疫抑制を行ったうえで手術は行われます。それでも程度の差こそあれ、ほとんどすべての移植者に拒絶反応は見られます。この拒絶反応の機構は複雑ですが、移植臓器に付いてきたドナー側の樹状細胞がレシピエントに移動して免疫を活性化するなどが考えられています。移植拒絶とそれを防ぐための免疫抑制の中心にいるのは T細胞で今後の研究が待たれています。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
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