ウイルス性肝炎

日本人の肝炎の主な原因はウイルス感染

 肝臓に炎症が起こった状態が肝炎です。肝炎の原因にはウイルスや飲酒、肥満などがありますが、日本ではウイルスが原因の「ウイルス性肝炎」が最も多くみられます。原因となるウイルスによって、A型~E型、非A-E型、その他(サイトメガロウイルスやEBウイルスなど)の七つに分類されます。ウイルス性肝炎の中でも、圧倒的に多いのがB型肝炎とC型肝炎です。

主な肝炎ウイルスと特徴

B型肝炎の母子感染は1986年に母子感染防止策(※)がとられてからほとんど起きていません。
また、輸血による感染や汚染注射針による感染は、ウイルス検出法の進歩や医療環境の整備によりほとんど起きなくなりました。
 ※ウイルスを保有した母親から出生した直後12時間以内にB型肝炎ワクチンと抗HBsヒト免疫グロブリンを注射、生後1カ月、6カ月にB型肝炎ワクチンを接種。ただし能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加接種を行う。

肝炎ウイルスに感染している人は日本人の40人に1人と推計

日本には、B型肝炎ウイルス感染者が110万~120万人、C型肝炎ウイルス感染者が90万~130万人存在すると推定されます。肝臓は働きがおかしくなってもすぐには症状が現れない「沈黙の臓器」とも言われています。症状がなくても、ウイルスを保持している可能性もあり、厚生労働省は、これまでに肝炎ウイルスの検査を受けたことがない人は検査を受けるよう推奨しています。肝炎ウイルスに感染しているかどうかは血液検査で知ることができ、ほとんどの病院や診療所で受けられます。

ノーベル賞受賞

B型肝炎ウイルスを発見した研究で1976年にブルッフ・ブルームバーグ博士が、C型肝炎ウイルスを発見した研究で2020年にハーベイ・オルター博士、マイケル・ホートン博士、チャールズ・ライス博士がノーベル医学・生理学賞を受賞を受賞しています。

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執筆:2021年9月
文責:大阪大学微生物病研究所

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