リンパ球って何?
自然免疫細胞より高度な働きをする免疫細胞で、病原体に対応して増殖します。また、病原体に接触した記憶を持ちます。
リンパ球は、脊椎動物(哺乳類、魚類、鳥類、は虫類、両生類)に特有の免疫細胞で獲得免疫の細胞です。軟体動物や昆虫はリンパ球を持たず自然免疫の細胞しか持ちません。リンパ球には、T細胞、B細胞(ときにはナチュラルキラー細胞も)が含まれます。リンパ球はリンパ節に数多くいますが、リンパ液や血液に乗って全身を循環しています。リンパ球は平均 15マイクロメートルほどあり、体内を循環する免疫細胞の20%以上を占めています。
リンパ球の特徴はさまざまな外来性病原体に適応できる性質を持っていることです。T細胞とB細胞の表面にはそれぞれT細胞受容体とB細胞受容体があり、病原体の情報(抗原)をもらうと、その病原体を担当するT細胞とB細胞が増殖します。つまりリンパ球は自分が担当する病原体を持っている専門家集団と言えます。自然免疫の細胞より高度な機能を持つかのようなリンパ球(T細胞・B細胞)ですが、抗原情報は自然免疫の細胞から得ています。リンパ球の働きは自己と非自己を見分ける免疫というシステムの本質にかかわるため、世界中で研究が進められています。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
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