ワクチンって何？

特定の細菌やウイルスに対する免疫（抵抗力）を作るため、病気にかかる前に接種しておく医薬品のことです。

私たちの体に備わる免疫という仕組みには、侵入してきた細菌やウイルスの特徴を記憶し、次に来た時にすぐに撃退できるようにしておく機能があります。この機能を利用するのがワクチンです。
ワクチンは病気を起こす細菌やウイルスの病原性を弱めたり、なくしたりしたものでつくります。このワクチンで予行演習をしておき、本番で即座に対応できるよう態勢を整えます。

このため、ワクチンでひきおこされる免疫反応は「きちんと記憶される程度」の強さが必要です。しかし、強すぎると発熱などの反応がおきてしまいます。この「病気にならない程度」の反応という、ちょうどよい「あんばい」の免疫反応をひきおこすワクチンをつくるのが非常に難しいのです。

執筆：2020年7月
文責：大阪大学微生物病研究所