抗原抗体反応って何?

B細胞が作り出した抗体が抗原に結合し、毒性を弱める反応です。

細菌やウイルスの抗原に対して抗原特異的な抗体が果たす重要な役割は、結合して無毒化することです。この働きをする抗体を中和抗体といいます。それぞれのB細胞は1種類の特異性を持つ抗体しか産生できません。一方で私たちに感染する可能性のある微生物は非常に多様であることから、免疫系はそれぞれ異なる抗体を産生する膨大な数のB細胞を持っています。この原理を応用して(弱毒化した)抗原をワクチンとして体内の投与する予防接種が行われてきました。一方で、抗原抗体反応の過剰によるアレルギー反応やアナフィラキシーも報告されており、予防接種による副反応もその典型です。さらに、本来は毒性のない自分自身の身体の成分(関節組織や核酸)に反応する自己免疫疾患、臓器移植における拒否 (拒絶) 反応も抗原抗体反応の一種です。

執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
イラスト:長門香織

感染症

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