免疫って何のためにあるの?

免疫の働きがないと、病気は重症化して死に至ることがあります。

生物は常に外界から微生物の侵入を受けています。それを排除するのが免疫の働きです。日常的な侵入者(日和見菌やカビなど)に対しては、「非特異的な免疫」すなわち非自己なものに素早く反応する免疫細胞が食べて解決します。この機能が無いと単純な侵入者にも負けてしまいます。例えば、カビを検知する働きを無くしたショウジョウバエは全身をカビに覆われて死んでしまいました。 
 
身体への侵入者の中には、非特異的な免疫では不十分な強敵が存在します。それらは、免疫細胞が食べることだけでは排除できません。その結果、病原体は増殖して感染症という病気になってしまいます。感染症に対抗するためには、より強力な「特異的な免疫」が必要です。特異的な免疫では、何種類もの免疫細胞が協力して、より強力な免疫反応を起こし病原体を排除します。しかし、体力が弱っていたり、相手が未知で強力な病原体であったりすると、身体が負けてしまい死に至ります。こうした免疫反応は外部から来た病原体だけでなく体内にできたがん細胞との闘いでも同じことが起きます。

執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所

感染症

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