免疫ってからだのどこにあるの?
免疫の働きを担う免疫細胞は体液に乗って全身を巡っています。免疫細胞が多く集まり重要な働きをするリンパ節は全身に数百カ所あります。
免疫の主力として非自己すなわち病原体と戦うのは免疫細胞です。したがって免疫の最初の防衛ラインとして免疫細胞が存在するのは病原体と接触しやすい場所、のどや鼻の粘膜です。それ以外に皮膚の表面にも一定数の免疫細胞がいて病原体との接触に備えています。のどや鼻から体内に侵入した病原体は肺などの呼吸器官や血中に侵入して増殖しようとします。そこにも免疫細胞はいて体を守ろうとします。血液は体内を循環しているので、「免疫は全身にある」と言って過言ではないでしょう。
身体の免疫システムにとって最初の防衛ラインである非特異的免疫(=自然免疫)では敵わない相手、つまり強い病原体もやって来ます。そのときには、特異的免疫(=獲得免疫)の出番です。獲得免疫の中心は、リンパ球という免疫細胞でリンパ節という器官に多くいます。リンパ球はリンパ管を流れるリンパ液に乗って体内を循環し血液にも入ります。したがって免疫は全身で起こると言えます。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学免疫学フロンティア研究センター・微生物病研究所
イラスト:長門香織
感染症
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