Q.ワクチン(予防接種)の役割とは?

ワクチンは免疫を作る

 「おたふくかぜ」や「はしか」など、感染症は一度かかると免疫ができて次はかかりにくくなります。この免疫の仕組みを利用した予防薬がワクチンです。感染症を予防するため、これまでにたくさんのワクチンが開発されています。
 ワクチンを接種すると、病気の元となる細菌やウイルスに対する免疫が体の中で作られ、細菌やウイルスが体内に入っても増殖を防いでくれます。
 ただ、ワクチンを接種しても病気にかかることはあります。マスクや手洗い、健康管理などの感染症対策は続けましょう。

「個人を守る」だけでなく「社会も守る」

 このように、ワクチンには、感染症にかかりにくくしたり、かかった場合でも症状が重くならないようにしたりする働きがあります。個人を守る役割です。
 さらに、社会全体を感染症から守る役割もあります。ワクチンで十分な免疫ができなかった人や、何らかの理由でワクチンを打てない人がいても、周りの人たちがワクチンで免疫を得ていれば、感染は広がりにくくなり、その人たちも守られます。この社会全体の免疫力を「集団免疫」と呼んでいます。
 予防接種により、天然痘やポリオ、麻しん(はしか)などさまざまな感染症の流行が抑えられています。社会全体が免疫を得るためには、社会全体で予防接種を行う必要があります。そのため、予防接種制度が法律で決められています。

参考文献:
日本小児科学会.日本小児科学会の「知っておきたいワクチン情報」予防接種の意義.日本小児科学会.2018.(参考2021-04)

執筆:2021年6月
文責:一般財団法人阪大微生物病研究会

感染症

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