RSウイルスワクチン

歳までにほぼ全員が感染、繰り返しかかる

RSウイルスは、飛沫や接触により感染し、発熱、鼻水、咳など風邪のような症状がでます。2歳までにほぼすべての子どもが感染するとされており、特に生後6カ月以内の新生児への初感染や、低出生体重児、基礎疾患がある場合などには、肺炎など重症化の可能性が高まります。また、重篤な合併症として、中耳炎、無呼吸発作、急性脳症等があります。

RSウイルスは一度感染しても生涯にわたって感染を繰り返すことが知られています。そのため、乳幼児だけでなく、成人、特に高齢者にも影響を及ぼす可能性があります。高齢者や慢性的な呼吸器疾患がある人では、重症化するリスクが高くなります。

妊婦は定期接種、高齢者・重症化リスクが高い方は任意接種

市町村が費用を負担する「定期接種」として、妊娠28週~36週の妊婦の方は、RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を1回受けることができます。
また、60歳以上の方、または18歳以上で基礎疾患などにより重症化リスクが高い方も、ワクチンを受けることができます。その場合は、自分で費用を負担する「任意接種」となります。

<RSウイルスワクチンを製造しているメーカー>
・グラクソスミスクライン株式会社(高齢者と18歳以上の重症化リスクが高い者)
・ファイザー株式会社 (母子免疫ワクチン、高齢者)
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お母さんの抗体が赤ちゃんを守る

妊娠28週~36週の妊婦の方がRSウイルスワクチンを接種すると、母体内でつくられた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生後6カ月以内の乳児におけるRSウイルス感染による肺炎や気管支炎などを予防する効果が認められています。

ワクチン全般における副反応の種類と対策・対応

ワクチンを接種して期待される免疫効果と同時に、接種箇所の赤み、はれ、痛み等の望ましくない局所反応や発熱、リンパ節腫脹等の全身反応を惹起することが多く、これらは“副反応”と呼ばれています。

ワクチンの種類によっても異なりますが、発熱、接種箇所の赤み、はれ、しこり、発疹などが比較的高い頻度(数%から数十%)で認められます。通常、数日以内に自然に治るので心配の必要はありません。ただし、接種箇所のひどいはれ、高熱、ひきつけなどの症状がある場合は、医師の診察を受けてください。
ワクチンの種類によっては、極めてまれ(百万から数百万人に1人程度)に脳炎や神経障害などの重い副反応が生じることがあります。このような場合、健康被害を受けた本人やその家族が救済の請求を行うことで、審査が行われ、認定されたときは給付の対象となります。定期接種の場合は、予防接種法に基づく健康被害救済の対象となるため、救済の請求は、予防接種を受けたときに住民票を登録していた市区町村に対して行います。一方、任意接種の場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済の対象となるため、救済の請求は独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して行います。
ワクチンを接種した後はその場でしばらく様子を見ること、帰宅後もすぐに医師と連絡をとれるようにしておくことが必要です。

参考文献
・厚生労働省ホームページ RSウイルス感染症  (2026年5月7日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rsv.html
・厚生労働省ホームページ RSウイルスワクチン (2026年5月7日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/rs/index.html
・厚生労働省 RSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンの定期接種を実施します。(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/rs/index.html
・厚生労働省 RSウイルス感染症に注意しましょう(リーフレット)(2026年5月7日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rsv.html
・一般社団法人日本ワクチン産業協会「予防接種に関するQ&A集」2025 p.247-255
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構 アレックスビー筋注用 添付文書 (2026年7月15日閲覧)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/631341NE1021_1?user=1
・一般社団法人日本ワクチン産業協会「予防接種に関するQ&A集 2025」
・公益財団法人予防接種リサーチセンター「予防接種と子どもの健康 2026年度版」p.40から転載(一部改変)
・厚生労働省 予防接種健康被害救済制度について(2026年7月14日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医薬品副作用被害救済制度に関する業務 Q&A (2026年7月14日閲覧)
https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html

執筆 2026年8月
文責:一般財団法人阪大微生物病研究会

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