なぜ新型コロナウイルスの検査にPCR法が使われているの?

PCR法であれば、ウイルスの遺伝子配列さえ分かれば検査ができるからです。

新型コロナウイルスの遺伝子配列は2020年1月10日に公表され、国立感染症研究所は同月中に検査に必要な試薬を全国の地方衛生研究所などに送りました。こうしてPCR法が先行して使われるようになりました。一方、抗原検査法などは開発に時間がかかり、日本で最初に抗原検査キットが承認されたのは同年5月でした。

また、PCR法は、新型コロナウイルスだけにある遺伝子配列を増幅して検出するため、間違えて陽性としてしまう割合が低い利点があります。言い換えると、陽性と出た場合は結果が正しい可能性が高いということです。ただ、感染していても約3割は陰性という誤った結果が出てしまうとされており、注意が必要です。

PCR法は、国立感染症研究所が発表した方法だけでなく、米国疾病予防管理センター(CDC)や、PCRの機器・薬品メーカーがそれぞれ開発した方法を用いる場合もあります。

参考リンク:国立感染症研究所 病原体検出マニュアル > 新型コロナウイルス感染症
https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab-manual-m/9559-2020-04-14-10-09-54.html

執筆:2020年7月
文責:大阪大学微生物病研究所

感染症

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