現行の新型コロナワクチン、どうやって効くの?-ウイルスベクターワクチン編

ウイルスベクターワクチンとは、新型コロナウイルスのタンパク質の設計図をウイルスベクター=ウイルスの運び屋さんによって体内に運んでもらうワクチンです。ウイルスは人に感染すると、自分自身の設計図を細胞の中に送り込み、人の細胞の中で自分のタンパク質をつくらせます。この性質を利用して、タンパク質の設計図を細胞の中に送り込み、ワクチンや、治療に役立つタンパク質を体内でつくる治療法が開発されています。 
今回のウイルスベクターを利用したアストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンは、サルのアデノウイルスの設計図に、新型コロナウイルスのタンパク質をつくるよう、人工的に書き込んだワクチンです。

アデノウイルスが作る新型コロナウイルスのタンパク質はごく一部です。ワクチンに用いられるアデノウイルスが新型コロナウイルスに変化したり、新型コロナウイルスと同じ症状を引き起こすことはありません。

執筆:2021年9月
文責:大阪大学微生物病研究所

感染症

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