現行の新型コロナワクチン、どうやって効くの?-RNAワクチン編
RNAワクチンとは、「RNA」というタンパク質の設計図をリポソームという膜に包んで作製されているワクチンです。RNAワクチンを接種すると、RNAをもとに新型コロナウイルスのタンパク質が体の中でつくられます。新型コロナウイルスのタンパク質は体にとって「異物」なので、免疫反応がおこります。この免疫反応が「記憶」されると、新型コロナウイルスに感染してもすぐに免疫をアクティブにして対抗することができます。
これまでの研究では、細胞内に運ばれたRNAは数日ですぐに壊れるとされています(https://www.nebraskamed.com/COVID/where-mrna-vaccines-and-spike-proteins-go)。
RNAはもともと、とても不安定で壊れやすい物質です。そのため、今回のRNAワクチンは低温で輸送するなどの必要があります。
設計図であるRNAをもとに作られたSタンパク質に対して、免疫細胞たちがはたらきます。
執筆:2021年9月
文責:大阪大学微生物病研究所
イラスト:長門香織
感染症
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