ワクチンは本当に効くの?

ワクチンの効き目には個人差がありますが、社会全体で流行を抑える効果はあります

ワクチンは、人間の体に備わった免疫の力を利用するものなので、効き目には個人差があります。しかし、社会全体で考えると、効果があり免疫ができた人のところで感染拡大が食い止められるため、多くの人がワクチンを接種していれば流行は抑えられます。この状態になっていれば、ワクチンが効かなかった人や病気や体質によりワクチンを接種できない人にも間接的に「ワクチンが効いた」ことになります。
ワクチンは、撲滅に成功した天然痘のほか、ポリオや麻しん、風しんなど感染症の予防に貢献してきました。

効き目には、感染予防や重症化予防という違いも

また、ワクチンによって「どんな効果があるか」や「どの程度効くか」が違います。
ワクチンに期待される効果には、細菌やウイルスの感染を抑える「感染予防」、症状を抑える「発症予防」、死亡や入院を防ぐ「重症化予防」、接種していない人も守られる「集団免疫」がありますが、ワクチンによって主な効果は異なります。
例えば、インフルエンザワクチンには感染や発症を予防する効果も一定程度ありますが、主な効果は重症化予防です。
また、「効き目がどれだけ続くか」も、ワクチンによって異なります。インフルエンザワクチンの場合、予防効果が期待できるのは5カ月程度と考えられています。

参考文献
・一般社団法人日本ワクチン産業協会「2023予防接種に関するQ&A集」.2023. P272
 
執筆:2021年6月
最終更新:2024年9月
文責:一般財団法人阪大微生物病研究会

感染症

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