ワクチンはどうやって開発される?
通常は10年前後かけて安全性と有効性を確認
ワクチンの開発は、まず、生ワクチンや不活化ワクチンなどの種類のうちから、どの種類がいいかを検討し、試作します。
ワクチンは、体にウイルスや細菌が感染すると免疫ができ、次はかかりにくくなる仕組みに目を付けて、免疫ができる働きだけを残したものです。このため、ウイルスや細菌をいかに無害にするか、体に免疫が期待どおりにできるかがポイントになります。
次に、動物実験で効き目や安全性を確認し、問題がなければ、今度は協力してくれる人を募って効き目や安全性を確認します。
また、並行して大量生産を行うための方法や、品質を確認する試験法なども検討します。
これらの研究・試験から得たデータなどをまとめ、厚生労働省に承認申請を行います。一つのワクチンの開発には9~15年ほどかかります。
新型コロナウイルスのワクチンは過去に例のないスピードで開発
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン開発は、米国など各国が巨額の資金を投じて支援し、過去に例のないスピードで実用化されました。日本でも異例の速さで開発が進められていますが、まだ実用化には至っていません。このため、海外で開発されたワクチンを、簡略化した審査で特例承認し、使っています。
参考文献
* PhRMA「ワクチンファクトブック」.2012.P53
* 日本製薬工業協会ホームページ「くすりの情報Q&A 5.くすりを創り育てる」参考202104
執筆:2021年6月
文責:一般財団法人阪大微生物病研究会
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